「気に入った!」と言って
もらえるまで
とことん考える
―オーナー様と一緒に
作り上げていく過程が楽しいー

株式会社アンノーンのデザイナー金田 綾香さん。
空間ディスプレイ、看板、グラフィックなど
さまざまなデザインの経験を積んできた金田さんが
今もっとも楽しんでいるのが
「店舗の空間デザイン」です。

オーナー様の頭の中にあるイメージを聴き、
図面に落とし込み、コストや物理的な制約も
勘案しながら少しずつ理想の店舗へ近づけていきます。

オーナー様の理想を形にするために
ありったけの情熱を傾けてデザインに
取り組む金田さんに、
デザイナーとして大切にしていること、
店舗作りに対する想いをお伺いしました。

デザイナー金田 綾香(かねだ あやか)

やっぱり「空間デザイン」が好き
――これまでの経歴を教えてください。

東京の専門学校でステージやショーウィンドウなどの
空間ディスプレイデザインをメインに、
サイン(看板)デザインなどを幅広く学びました。

東京は時間とお金があれば楽しいでしょうけど
学生の頃はお金もなく、勉強ばかりで
あまり楽しかった思い出はないんです。

広島に帰りたかったので広島で就職したのに
転勤でまた東京に行くことになって・・・
東京では仕事量が多いのにデザイナーが
足りなくて、夜中まで仕事をして
床で寝るような生活をしていました。

疲れ切ってしまってその会社を退職し
広島に帰ってきたのです。

広島に帰ってからは
グラフィックデザインの
仕事を経て看板制作会社に就職し、
サインデザインをしていました。

その後フリーで活動していましたが
田中に声をかけてもらってアンノーンに就職。

振り返ってみると空間デザインから始まり
グラフィック、サインを経験してまた
原点の「空間デザイン」に戻ってきた
感じですね。

やっぱり私は空間デザインが
好きなんだと思います。

オーナー様の「個性」が
出せるお店づくりが楽しい

飲食店や美容院、サロンなど
オーナー様の個性が出せるお店づくりは
楽しいです。

オフィスなどはシンプルで機能的な
デザインが求められることが多いですが
店舗はいろんなバリエーションの
デザインができます。

「こんなふうにしようかな」
「こっちのデザインもいいな」
と案を巡らせていると私もどんどん
気分がのって楽しくなってくるんです。

もちろん個性を出そうと思えば思うほど、
図面を描く手間も増えます。
でもそれ以上に
「どうしたらいい感じになるかな」
と考える楽しさが勝つので
何時間も没頭している
こともあります。

完成したお店を見てオーナー様が
目の前で喜んで下さると
その感動が私にも伝わってきて
「大変だったけど
喜んでもらえてよかった」
とすごく達成感を感じます。

オーナー様の理想をいかに
形にするかが
腕の見せどころ

お店づくりはオーナー様の希望を叶えつつ、
コストや物理的な問題もクリアするように
一緒に作り上げていく過程が
一番大変で一番楽しいところかなと
感じています。

最初の案が一発で決まることは
ほぼありません。
そこからどう提案して
オーナー様の想いを実現していくか、
そこが一番大事だし、
他社さんと差が出るところなので、
すごく力を入れています。

お店で実際に作業される様子を思い浮かべて
「ここにコンセントがあったらいいな」とか
「ここはこういうものがあった方がいいかも」
というのも最初から提案させて頂いています。

コンセントの色も黒い壁なのに白いコンセントが
ぽっとあったら嫌なので黒に近い色の
コンセントを提案させて頂いています。

「気に入った」と言ってもらえるまで
とことん考える

オーナー様の中には
「こっちもいいけど
そっちもいいな」
となかなか決めきれない方も
おられます。

そういう時も
「決められないオーナー様が悪い」
とは思いません。

私が決めきれないような
提案をしてしまっているのかも
しれません。
その時は再度デザインを作り直します。

なぜこのデザインにしたのか
その意図もしっかり伝えて
納得して頂くようにしています。

こちらの提案を押し付けるのではなく
納得して決めてもらうのも
やっぱりプロの腕の見せ所だと
感じています。

オーナー様と私たちの意見が一致して
「じゃぁこれでいきましょう!」
となるのが一番いいですね。

双方の思い違いがないように
綿密に打ち合わせをします。

逆に、最初から意見が合わない
オーナー様もおられます。

その意見が合わない方を
どう攻略するか・・・
というのも大変ですが
実は楽しんでいます。

私は負けず嫌いなので
「気に入った!」
と言わせてやるぞと燃えます。

ですから寝る時間を惜しんで
夜中までやってしまう
こともあります。

私自身も納得いくまで考えないと
眠れないんです(笑)

図面を何度も描き直して
最初の案に戻ることも

内装は一度完成するとなかなか改装する
ものではありません。
ですからオーナー様も慎重になられます。

打ち合わせの時は
「これでいい!」とピタッと
意見が合ったのに
お家に帰ってから気になって

次の日には
「どうしようか・・・」
また迷われている・・・
そんなこともあります。

悩みすぎてオーナー様も私も
「そもそも何に悩んでいるんだっけ?」
という状態になることもあるんです(笑)

そういう時は
寝るか違う仕事をしたりして
頭をリセットするように
しています。

図面を何度も作り直して
結局最初の図面に戻る
こともあります。

色々試して悩むのも
「やっぱりこれがベストだ」
と納得するためには必要な手間と
時間だと感じています。

「誰がどんな時に使うか」を考える

私がデザインをするときに大切に
しているのは見た目だけではありません。
仕事をする時の動きを考えて
コンセントの位置や数を提案します。

さらに
「ここにこれがあったら
仕事がやりやすいですよね」
「ここをこうすると
お客様が使いやすくないですか」
という提案もさせて頂きます。

例えば飲食店には手洗いの設置が必要です。
私はまずお客様が使うのかスタッフさんだけが
使うのかを確認します。

スタッフさんだけが使うのでしたら
狭くてもいいですが、
お客様が使われるのでしたら
それなりの配慮が必要です。

「手洗いの設置場所はゆとりがあって
動作がしやすい場所が
いいと思いますよ」と提案します。

「よりよくする提案も
してもらえるんだ」

とオーナー様に安心してもらえると
弊社を選んで下さると感じています。

オーナー様にこだわりがあって、
提案を受け入れて
もらえないこともあります。

その場合は
「ここに設置したら使いにくいかもしれません」
「人が通りにくくなる可能性があります」

というリスクをきちんと説明します。
それでもオーナー様が「これでいいです」
と言われたらその意思を尊重します。

古い建物は図面通りに
工事ができないことも

工事が始まると現場にも
ちょこちょこ行くようにしています。
古い建物だと、
壁の取り壊しができない、
壊してみたらすごい段差があった
など工事を始めてみないとわからない
こともあります。

そうなると工事を進めることができないので
図面を修正しないといけません。

事前にきちんと図面を描いて
「こういうものを作ります」
と打ち合わせをした上で着工すると
想定外のことがあって
「実際はこうだったんですけど
どうしましょう」
という話もオーナー様に聞いてもらえます。

飲食店だと、
特に大変なのが「客席数」です。
障害物を避けるために
客席を減らすと売上に
影響する可能性があります。

「どうやって客席数を減らすことなく
障害物を回避するか・・・」
とずいぶん頭を悩ませます。
苦心してなんとか
解決することができると
ホッとします。

必ず図面を作成。
完成までやり遂げます!

この業界で仕事をしていると
「業者さんとトラブルになった」
という話を耳にすることがあります。
トラブルになる時は
打ち合わせをちゃんとせず
図面も描かず雰囲気だけで
着工してしまっていることが多いです。

図面があるとオーナー様も職人さんも
イメージをしやすいので安心ですよね。
私たちはこの仕事に長く携わっているので
イメージがつくのは当たり前なんですけど
オーナー様はそういうわけにはいきません。

こちらが分かった上で話をしていても
オーナー様には伝わっていなかったりします。

当初は「こだわりがないです」
と言われていたオーナー様も
図面を作成して提案をすると次から次へ
「ここはこうしたい!」
とこだわりが出てきます。

「何もないとイメージもできないので
叩き台になる図面があるとありがたい」
とオーナー様が言って下さるので
オーナー様の意図を汲み取るためにも
トラブルにならないためにも
図面の作成を重視して仕事をしています。

自分の引き出しに日々
情報を集めています。

デザインの仕事をしていると
日々変化する流行や新しい素材を
知っておく必要があります。

建築の雑誌も見ますし、
ネットでも調べます。
デザイナー仲間と情報交換を
することもあります。

休日に街に出かけてもお店を見て
「こんなデザインいいな」
「この素材をこんなふうに使ってもいいな」
とキョロキョロしています。

そして家具屋さんや雑貨屋さんも
よく覗いています。

それぞれのお店には
シンプルで機能的なもの
アンティーク調のもの
など扱っている商品の特徴があります。

この特徴を知っておくと
オーナー様から
「こんな家具を置きたいんだけど
どこの家具屋さんに行けばいいかな?」
「こんな小物ないかな?」

と相談された時に
「あそこのお店にお求めの
テイストに近いものがありますよ!」
とすぐにお知らせすることができます。

自分の引き出しに情報が入っていないと
アイディアも浮かばないので
いつも情報を仕入れています。

完成後もいつでも相談して下さい

私が担当したピラティスのお店が
あるのですが、ありがたいことに
とても繁盛していて2号店を出される
ことになりました。

私もそのピラティスに通っているので
利用者目線でもお店を見ることができます。

打ち合わせの段階では
あまり家電を置かない
言われていましたが
オープンしてみると、
家電が増えていて
「コンセントがもう少し多い
方が良かったですね。
次はコンセントを増やしましょう」
と提案することもできます。

お店が完成した後も
「ここの照明どんなのがいいかな」
「家具が買いたいんだけど、
いい家具屋さん知らない?」
と気軽に相談していただけたら
嬉しいですね。

「何かあったら、とりあえず
金田さんに聞いてみよう」
と思ってもらえる存在でいたいです。

「好き」だから続けられる

デザイナーの仕事は楽な仕事では
ありません。
内装の打ち合わせは
オーナー様のお仕事が終わる
夜に行うことも多いです。

別のオーナー様から
開店前に看板を設置して
欲しいというご要望があれば
早朝から現場に入ります。

日曜日だけは完全にオフですが、
家でも結構図面を描いています。
好きなことを仕事にしているので
休日に図面を描いていても
楽しいんです。

みんなから「休まないの?」
と聞かれますが、
私は家で趣味の絵を描いているような
感覚なので全然苦ではないです。

デザイナーは体力勝負のところもありますし、
勉強することもたくさんあります。

好きじゃないとこの仕事は
続かないなと思います。
本当に私たちが関わっているお店が
オーナー様が納得していただけるものが
できれば嬉しいので
目の前の一歩一歩を大事にしています。

私は刺激がない仕事は飽きてしまうので
しんどいくらいがちょうどいいんです。
私って変わっているのかな(笑)

完成したお店が繁盛していると嬉しい

私が手がけたお店が完成して
オーナー様にも喜んでもらって
私自身も思っていたように
出来上がったお店は印象に残っています。

そのお店が雑誌に載ったり
テレビの「素敵なお店紹介」
のコーナーで取り上げられたりして
それで人気のお店になったら最高です。
それこそデザイナー冥利に尽きます。

あなたの想いを私にぶっつけて下さい。

あなたが今店舗の内装を考えて
おられるのでしたら、
あなたの想い、イメージを
全部私にぶっつけてください。

「こんなことまで言ってもいいのかな」
「全部は無理よね」
と要望を小出しにされる方が多いです。

関係性ができてくると心を開いて
想いを話してくださいます。
でも、遠慮はいらないので、
最初から全部できる、
できないに関わらず
あなたのありったけの想いを
私に聴かせてください。

そうしたら私も全部受け止めます。
今でしたらAIが形にはしてくれますが、
それは現実的ではないところがあります。

それをきちんとした形で
提案するのが私の仕事です。

本当に想いを全部ぶっつけてもらったら
オーナー様が納得できるものを作るために
がんばります。

そうして一緒にお客様に「また来たい」
と思ってもらえる素敵なお店を
つくっていきましょう。